Project Details
Description
当該年度は、前々年度から前年度に渡り確立した気体透過膜・分離膜の一段階合成手法とそれにより得られた膜の性能評価を引き続き行った。本合成法は複素環化合物の多くを原料とすることが可能であり、またそれらの原料を混合し共重合することも可能であることから多様な膜が容易に合成できる点で有利である。 本研究の主題である二酸化炭素の選択的分離膜合成については、塩基性官能基が膜の性能に与える影響が大きいことから、窒素原子を含有する複素環モノマーの利用は極めて重要である。ここまで見出した塩基性膜の二酸化炭素分離性能は従来の分離膜と同等かそれ以上であったため、今年度はその改善を目指し膜材料への種々の官能基の導入を行った。結果として、得られた膜は自立膜として十分な強度を有するものであった。ただし、気体分離性能の向上には幾らか寄与はあったものの、気体透過性能の向上には大きな影響がないことが明らかとなった。 また、本研究で検討してきた膜合成法の課題は膜の均質化や平滑化である。これについて検討を行ったところ重合時の溶媒の利用が有効であることを新たに見出し報告している。これは、溶媒の存在により重合速度が制御可能となり、結果として急速な重合の進行を抑制できることが主な要因である。実際に得られた高分子膜の気体透過性は検討中であるが、本手法は種々の原料から膜を得る汎用性の高いものであり、かつ膜合成上の再現性についても利点があることから、今後一般に利用される手法となりえるものである。 以上の結果については、日本化学会第102回春季年会ほか計3件により発表を行い、現在学術論文誌へ投稿するためその内容を取りまとめている。
| Status | Active |
|---|---|
| Effective start/end date | 1/04/19 → … |
Funding
- 日本学術振興会: ¥4,290,000.00