プロジェクトの詳細
内容の説明
本研究は、光干渉計の入射鏡の非一様性に起因する姿勢制御信号の乱れに対し、機械学習などを用いた新しい手法で正常な制御信号を回復することを目標としている。重力波望遠鏡KAGRAは世界初の大型低温干渉計であり、重力波を観測するためのテストマスはサファイア結晶でできている。熱伝導率の高いサファイアを用いることでレーザーからの入熱を冷凍機に輸送することができるだけでなく、極低温での機械損失が小さく熱雑音の軽減につながる一方で、結晶の非一様性が様々な問題をもたらしている。特に非一様な複屈折の影響が大きく、我々が開発してきた干渉計シミュレーションの結果から、0.1urad程度のオフセットが乗ることが分かっている。このオフセットはビームの照射位置に依存して変わるため、非定常な揺らぎとなる。そこで我々は、ビームの位置が変わってもオフセットが変わらないような制御信号の取得方法として、16分割光検出器の使用を提案している。一昨年度までに、16分割光検出器の出力の線形和を最適化することにより、オフセットを軽減することに成功していたが、今年度は分割数を4分割に下げてもオフセットを軽減できることを示すことに成功した。さらに、機械学習を用いた手法でもオフセットの軽減に成功し、その軽減幅を用いて線形制御と機械学習の比較を行うことにも成功した。今回は、人工的に生成した、空間周波数が高い複屈折マップと低い複屈折マップとそれぞれでシミュレーションを行い、高い方では、4分割・16分割共に線形制御がより高い軽減率を示し、空間周波数が低い方では、16分割では線形制御が、4分割では機械学習がより高い軽減率を示した。現時点では機械学習のコードに改善の余地が残されていると考えている。また、本研究では機械学習をデータ解析や非定常雑音の除去に利用する研究も進めており、それらに関しても成果を挙げることができた。
| ステータス | アクティブ |
|---|---|
| 有効開始/終了日 | 1/04/22 → … |
資金調達
- 日本学術振興会: ¥17,160,000