プロジェクトの詳細
内容の説明
リンカー部位の化学構造が異なる6種類の含環状部位ポリグアナミン誘導体を用いて,その界面組織化膜形成と,金属イオンの捕集,および脱離能評価,加えて金属イオン捕集の選択性を検討した.今回使用した6種類のポリグアナミンは,環状部位に直結したリンカーユニットが,芳香環リンカーのものが3種,脂肪族リンカーが3種あり,其々柔軟性や嵩張りの度合いが異なる.これらを有機溶媒に溶解させ,超純水上に展開するとLangmuir単分子膜を得ることが出来る.展開直後には環状部位は水面に接しており,圧縮に伴って環状部位が立ち上がる.この時,リンカー部位の化学構造の差異が,二次元的な分子の充填に影響を及ぼす.ここで,下相水中に金属イオンを導入すると,ポリグアナミン環状部位への金属捕集を実現した.Na+,Cd2+,Ba2+,Pd2+, Nd3+を其々含む下相水上に調製された6種類のポリグアナミン誘導体は,Na+以外の全ての金属イオンを,捕集することが可能であった.これは固体基板上に転写された多層膜に対するX線光電子分光(XPS)の結果から判明した.環状部位の構造は,フェニル環とトリアジン環が2つずつ交互に-NH2-基でつながれた状態であり,環内部には豊富な非共有電子対による陰電場が形成されている.ここにカチオンが弱い相互作用で取り込まれていると考えられる.これは1987年のノーベル化学賞であるクラウンエーテル/18-crown-6と同様の起源である.従って,捕集された金属イオンは比較的弱い相互作用で脱離回収が可能であると考えられる.このことから,金属を捕集した分子膜に対する超音波処理を行い,その後に再度XPSを測定して金属イオンの脱離を確認した.脱離の傾向は二価の金属イオンの方が容易に生じ,更にイオン半径の大きさとも連動が確認され,選択性が生じていることが明らかになった.
| ステータス | アクティブ |
|---|---|
| 有効開始/終了日 | 1/04/21 → … |
資金調達
- 日本学術振興会: ¥4,290,000