プロジェクトの詳細
内容の説明
強い力を媒介する粒子であるグルーオンは、光速近くまで加速された陽子や原子核の中では、より分解能を上げて構成粒子を調べると、分解能を上げるにつれてグルーオンの数が圧倒的となる。その粒子数は、グルーオンの間の強い相互作用による非線形の効果により、あるサイズ(運動量)スケール飽和状態になると考えられている。ここで現れるグルーオンの運動量スケールはグルーオンの飽和運動量と呼ばれ、高エネルギーの陽子・陽子衝突や原子核同士の衝突反応において非常に重要な役割を果たすと考えられている。 このグルーオンの飽和描像の特色は、陽子や原子核など反応の衝突系によらず、より基本的な構成要素であるグルーオンの運動量スケールが多重発生現象を支配することであり、特にグルーオンの飽和運動量に強く関連する、ハドロンの横運動量分布にスケーリング則が成立することが期待される。私はこの考えを、陽子と陽子の衝突による反応と、陽子と鉛の原子核衝突事象の実験結果の解析に適用した。特に、異なる反応系を統一的に説明することを目指し、終状態のハドロン多重度に着目した。すなわち、反応により生成される高エネルギーハドロン物質は、どのような衝突系でどのようなエネルギーで衝突させたかは重要ではなく、終状態のハドロン多重度(生成粒子数)で統一的に説明されるべきであると考えた。そこで、多重発生現象で重要な役割を果たす飽和運動量に多重度依存性を導入して、(陽子と陽子や、陽子と原子核の衝突など)いわゆる小さな衝突形で観測される横運動量分布を統一的がスケールすることを示すことに成功した。この研究結果は、米国物理学会誌 Physical Review C に投稿し受理された。
| ステータス | アクティブ |
|---|---|
| 有効開始/終了日 | 1/04/20 → … |
資金調達
- 日本学術振興会: ¥910,000